鎌倉を歩く

まずは神奈川県鎌倉市です。定番中の定番ともいえる鎌倉ですが、かつては別荘地として栄えた街でハイソな雰囲気がしっかり漂っています。海と山に囲まれた過ごしやすい温暖な気候で、ぶらぶら歩くのにも最適です。
鎌倉の観光エリアとしては鶴岡八幡宮、小町通りのある東口の方が有名かもしれませんが、静かな西口エリアも是非歩いてみてください。鎌倉観光の醍醐味でもある「路地歩き」を楽しめますよ。
鎌倉駅の西口改札を出て、「御成(おなり)通り」商店街へと進みましょう。この周辺の地名は「御成町」というのですが、かつては皇室御用邸があったことからその名になっています。御用邸は明治32年に建ちましたが大正12年の関東大震災で倒壊してしまいました。その跡地には鎌倉市役所や御成小学校などが建っています。
「鎌倉三大洋館」と呼ばれるのは、「古我邸」、「旧前田侯爵別邸(現・鎌倉文学館)」、「旧華頂宮邸」ですが、フレンチレストランとして古我邸が使われています。この洋館は大正5年、三菱銀行重役の別邸として建てられ、その後、浜口首相、近衛文麿首相が別邸として使っていました。現在は古我氏が代表をしていた会社が所有しています。まさに大正ロマンあふれる雰囲気の中で食事が楽しめます。
鎌倉の場合、JR北鎌倉駅からの散策もお勧めです。改札から徒歩2分程度で円覚寺があります。12月上旬ごろの紅葉がきれいになる石段を登っていきます。ここのお釈迦さまは冠を被っているので、宝冠(ほうかん)釈迦如来と呼ばれているそうです。また、前田青邨画伯監修の龍の絵が天井にあります。
お参りが済んだら左手にある松嶺院に行きましょう。春と秋に公開期間があります。4月下旬~5月にはボタンの花が咲き、秋は山野草の花々が楽しめます。円覚寺の門を出て徒歩5分ほどで、リンドウやジュウガツザクラ咲く「花の寺」として人気のある東慶寺へ到着します。鎌倉市の花はリンドウです。賑やかな鎌倉もいいですが、こうしたシックな歩き方もいいものです。